72°

書いたものなど

空と燐光

ふみこえた今日が夜中の延長戦ならばいまさら不夜城でもなく

 

朝のまるで無遠慮なところ嫌いにはならない、しかし心拍はうるさい

 

この夜に余命を差し込めたらいいのに 青いろの夢の跡地をのぞんで

  

そそぐように変わっていくとき、さわれたら、柔らかくも焼けよ、掌

平成29年度 初夏の申し送り

あと60回はあるなどの傲慢に呆然と来る今年の夏は

 

この夏で戦争詠が四年目になります、どうぞ笑ってください

 

ああ、そうだね、ぼくらが殺した時代だ、しかし永くていつかに終わる

 

あるところのスコール降りて架線にはすがりながらも足場はなくて

 

またぐもの、明日などなくとも、われわれは天命のさまで果てを愛そう

 

おわりなく夏に塗られしの贅沢を贅沢と知る帰郷のときに

 

〈蝉〉よ君たちばかりはいずこを問わない 窓が同じであるように

 

砂州の、白くても暑くても、その上に見えるか、かなしい車両の死体が