平成29年度 初夏の申し送り
あと60回はあるなどの傲慢に呆然と来る今年の夏は
この夏で戦争詠が四年目になります、どうぞ笑ってください
ああ、そうだね、ぼくらが殺した時代だ、しかし永くていつかに終わる
あるところのスコール降りて架線にはすがりながらも足場はなくて
またぐもの、明日などなくとも、われわれは天命のさまで果てを愛そう
おわりなく夏に塗られしの贅沢を贅沢と知る帰郷のときに
〈蝉〉よ君たちばかりはいずこを問わない 窓が同じであるように
砂州の、白くても暑くても、その上に見えるか、かなしい車両の死体が