72°

書いたものなど

珂のころに

零下にも街はなりにて歩行でゆく夜をかえりみててっぺんまで冬

 

翌夜の大鎮守を眺めるのもさりとて惜しく故郷を思うが

 

陽ありて眠り雪のいるはしばしに、コンチネントのみやげを思えば

 

いちめんの白は迷信、青を刷いて海原にもする北の作法です

 

おぼつかなく日がなに磨いて街の雪よ、焼いてまなうらを、血の気も失くして

 

鈍重でも寒からずの風笛吹いて窓軋ませる冬はまた去る