72°

書いたものなど

よるべより

飛切をむらなく蒔いて 天上がこんなに惚けた日があってもいい

 

車は船、夜の牽きゆくばかりさえ先を譲るが越えることはなし

 

果物坂眩ませるような暗がりで独りいずれかの文と転げて

 

天幕を幾枚剥いでの夜の果てを息づくような藍にみている

 

摺りたてのありあけで絹を塗る、星がいっとうよく映えるように

 

来たる、このわたしと命は知るらんと、夜明けと春は同じ方から